映画「青い春」あらすじ

退屈な日常に飽き飽きしている不良男子高校生たちの生活を描いた短編集。
①青木(新井浩文)と九条(松田龍平)。彼らの通う高校の伝統的な度胸試しに「ベランダゲーム」というものがある。屋上の柵の外側に出て、柵に足を掛け手を放し何度手を叩けたかを競うゲームである。このゲームで一番多く手を叩けた人間がこの高校の番長になることができ、九条は8回を叩いてこの高校の番長となったのだが、青木のなんでも九条に頼ってくる姿勢に嫌気がさし、青木と仲違いをしてしまう。「お前一人では何もできない」と言われたように感じた青木は自分なりの男気を見せようと九条に反発し、より強烈な校内制圧を行うようになる。徐々に冷え切っていく二人の関係に、ついに終止符が訪れる出来事が起きた。
②九条・青木の不良仲間である雪男(高岡奏輔)と大田(山崎裕太)。後輩に後ろ指をさされていたかつての先輩・水口(KENTA)に擦り寄り暴走族に入れてもらっている大田や迎合する姿勢が気に入らない雪男は、調子よく話し続ける大田に対し衝撃の一言を投げかける。
③野球一筋で甲子園を目指していた木村(大柴裕介)。夢だった甲子園には手が届かず、試合での失敗を悔やみながらたった一人の後輩と麻雀を打ち続ける日々を送っていた。彼はヤクザになった先輩から自分と一緒に来ないかとずっと誘われていた。生粋の高校球児だった木村は、オリジナルの詩を刺繍した学ランを後輩に託し、先輩と共に学校を去る。

映画「青い春」感想

不安定で多感な時期の高校生たちの揺れ動くぐらついた精神が垣間見える映画。高校時代に実際よく見ていたので、ひりついた雰囲気や焦りが共感できる映画になっている。
不良たちの精神安定の拠り所は『男としてのプライド』にある。雪男はプライドの見えない大田にイラつき刺殺し、青木は九条やその他後輩などに馬鹿にされてプライドを傷つけられ、最終的に名誉の上での死を選んだ。大人になった我々にとって彼らの守るプライドはひどく小さい世界でのみ通用するもので、決して命を賭してまで守るべきものには見えないが、学級という箱に入れられて身動きのとれない高校生たちにとってはそのプライドの持つ重要性というのは計り知れないものなのだろうなと思った。「俺は卒業すんだよ!!!!!」と絶叫しながらパトカーで連行される雪男のシーンや、青木が「九条、俺も連れて行ってくれよ」と本当の気持ちを吐露するシーンは何とも言えない切なさとやるせなさがある。