映画「ムーンライト」あらすじ

貧困家庭で薬漬け、感情的で虐待をする母親に育てられているシャロンは、リトルというあだ名をつけられいじめられていて、恥ずかしがりやで引っ込み思案の黒人の男の子です。ある日いじめっ子たちから逃げ回っていると、キューバ人のクラック・コカイン売人であるフアンと出会い、彼の恋人テレサと交流を持つようになります。シャロンにはクラスメートのケヴィンしか友人がおらず、シャロンはフアンと多くの時間を共に過ごすうちに泳ぎや人生は自分で切り開いていかなければならないことなどを学びます。やがてティーンエイジャーとなったシャロンはケヴィンと仲良くしているものの、テレルといういじめっ子グループからは嫌がらせを受ける毎日でした。ある夜シャロンはケヴィンが裏庭で女性とセックスをしている夢を見るのですが、これを機にシャロンの中ではケヴィンに対する感情が少し変化していき、別の夜家の近くで2人でマリファナを吸いながら人生の野望を語り合った時、自然と彼らはキスを交わし、ケヴィンはシャロンに手淫を行うのです。シャロンにとって素晴らしい夜を過ごした後、悲劇が襲います。翌朝いじめっ子のテレルはいじめの儀式としてケヴィンにシャロンを殴らせるのですが、後日シャロンは教室で無防備だったテレルの背中を椅子で殴りつけ逮捕され少年院へと送られてしまいます。そこから時は過ぎ大人になったシャロンはアトランタで薬物の売人として成功しており、ブラックという通り名で知られるようになっていました。自分がゲイであることは伏せ、かつてのフアンと同じような風貌となり生活をしていたところ、ケヴィンから連絡があり過去の過ちを謝りたいので会いに来てほしいと告げられ再会します。また2人の間には柔らかく優しい時間が流れ始めていきます。

映画「ムーンライト」感想

とても美しい映像と、黒人で気弱、そしてゲイという環境のもとに生まれてきた少年の成長をとても丁寧に描いています。映画の中で転機となる海辺でのシーンは全く違和感がなく、月明かりが美しくて感動的でした。しかしその後起きた時間の中でのシャロンとケヴィンの2人の辛そうな目が、とても胸を打ちました。唯一の友人と距離が縮まったと喜ぶシャロン、いやいやながらいじめっ子に従うしかないケヴィン、裏切られたと絶望のシャロンの目が悲しく、その後仕返しをして逮捕されパトカーに乗せられていくのを見ているケヴィンの後悔の目、それをにらみ返すシャロンの目、言葉がなくてもジーンとくるシーンでした。でもその後お互いに成長し、別々の人生を歩み、また再会をした時のシャロンの目は素敵で、目の前にいる大人になったケヴィンに恋をしているのがはっきりと分かります。おそらくラストシーンでは描かれてはいませんでしたが、2人が結ばれるのかなと想像でき、暖かい気持ちになれました。