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25年前に日本でも大ヒットし、今も根強い人気を誇るパーシー・アドロン監督の『バグダッド・カフェ』(87)で映画ファンを虜にした女優マリアンネ・ゼーゲブレヒト。彼女が、さらに元気に、驚くほど魅力的なおばあちゃんになってスクリーンに帰ってきました。今回の舞台はイタリアのローマとバチカン。『ローマの休日』(53)をはじめ、様々な名作の舞台となったその街で繰り広げられる、愛と感動、涙と笑いのハートウォーミングな物語。前向きなヒロインのがんばりと料理の腕前が、周囲の人々をハッピーにしていきます。

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夫を亡くしたマルガレーテは、娘たちとの同居も老人ホームへ行くのも拒否し、ローマ法王(教皇)に会うためにたった一人でバチカンに向かう。敬虔なカソリック信者として、これまで夫と幸せに暮らしてきたマルガレーテだが、彼女には法王の前で懺悔しなければならないことがひとつだけあった。はじめてのローマ、マルガレーテはそこでイタリア人の恋人と同棲中の孫娘マルティナの部屋に転がり込む。バチカンに向かったマルガレーテはイタリア人の老詐欺師ロレンツォと出会う。ロレンツォも他人には明かせない人生の秘密を持っていた。マルガレーテは持ち前のバイタリティでローマの廃業寸前のドイツ料理店のシェフとなって店を復活させる。その評判は法王庁にも届き、やがて法王のためにドイツ菓子カイザーシュマーレン作りを依頼されるまでになる…。

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映画の中でマリアンネ演じるマルガレーテは、親しみを込めて“オマ”と呼ばれています。これはドイツ語で「おばあちゃん」の意味。彼女が劇中で作る“シュニッツェル(カツレツ)”や“カイザーシュマーレン”など、見るからに美味しそうなドイツのバイエルン料理は大きな見どころです。マルガレーテと不思議な運命の出会いをするイタリア人男性ロレンツォには、リナ・ウェルトミュラー監督の『流されて…』(74)やルキノ・ヴィスコンティ監督の遺作『イノセント』(75)で強烈な印象を残し、近年『ハンニバル』(01)や『007/カジノ・ロワイヤル』(06)などのハリウッド超大作でも活躍を続けるイタリア屈指の名優ジャンカルロ・ジャンニーニ。マルガレーテの娘マリーには、ドイツの映画、テレビで活躍する人気女優アネット・フィラー、孫のマルティナには『ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』(10)でヒロインを演じたミリアム・シュタイン。マルティナのイタリア人の恋人シルヴィオには、エルマンノ・オルミ監督の『ポー川のひかり』(06)に主演したラズ・デガン。演技派たちの本格的な演技が、明るく楽しいドラマをより深みのあるものにしています。

監督は、『スペースノア』(83)『MOON44』(90)など、編集担当としてローランド・エメリッヒ監督の初期作品を支え、その後監督として『飛ぶ教室』(03) などのヒット作を手掛けている俊英トミー・ヴィガント。製作は、『マンデラの名もなき看守』(07)、『ファニーゲームUSA』(07) のアンドロ・スタインボーンとドイツのテレビ界でプロデューサー兼脚本家として活躍するガブリエラ・スペーリ。クラウディア・カサグランデの原案をベースに、『みえない雲』(06)のジェーン・エインスコーとスペーリが脚本を執筆。撮影は『ドレスデン、運命の日』(06)のホリー・フィンク、音楽は『素粒子』(06)『デザート・フラワー』(09)のマルティン・トドシャローヴ、美術は『みえない雲』のパトリック・スティヴ・ミュラー。編集は“WIR WOLLTEN AUFS MEER”(12)のシモン・ブラージ。本作はドイツ映画界の一流スタッフの確かな技術によってささえられた一級のエンタテインメントです。

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