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なんだかとっても高貴な響きのお菓子に聞こえませんか? なんといってもカイザー(Kaiser=皇帝)とつくんですから….と、とても思いをふくらませている方がいらしたらごめんなさい。 想像とは程遠いとても庶民的なデザートなのです。

ドイツやオーストリアにはMehlspeise(粉を使った料理)が存在します。材料などに限りがあったこともあるでしょうが、粉を使用して主食からデザートまで一冊の本ができるくらい種類があります。そしてそれらはドイツ南部の人々の大好きな食べ物でもあります。

その代表的なデザートがカイザーシュマーレン(Kaiserschmarrn)です。これは主食としてもよく食卓に上がりますし、山小屋などにいくと本当にごはんとして食しています。山頂付近でドイツアルペンを見ながら疲れを取るのにもってこいのお料理なのです。

お料理の内容はいたって簡単です。卵は卵黄と卵白にわけ、卵白はメレンゲにします。粉と砂糖、牛乳、卵黄などを混ぜあわせ最後にさっくりメレンゲを混ぜます。溶かしたバターのフライパンでパンケーキを焼きます。焼きあがったらそれをあえて一口サイズに崩します。そしてお好みでレーズンや、アーモンドなどを入れ、バニラシュガーをかけまわしカラメリゼさせて、中はしっとり外はカリッと仕上げお皿に盛って粉糖をかけて出来上がり!お好みでりんごのムースやプラムのコンポートなどを添えて熱々を口の中へ……Lecker(おいしい!)~

ドイツの敬虔なクリスチャンの家庭では未だに金曜日はお肉を食べないというお宅も多く、金曜日は魚料理を食べる習慣がありますが、その代わりとしてこのカイザーシュマーレンは子供から大人まで大好きなのでよく食卓にあがるとミュンヘンの友人から聞きました。

映画の母子三代で100人分のカイザーシュマーレンを作るシーンはとてもおいしそうですよね。 そしてそれに卵を割ってひたすらパンケーキを焼き続けるうちに、今まで衝突ばかりしていて、 いろいろな葛藤があった三人は、共通点でもある料理の共同作業によって徐々にお互いの立場を尊重して合い打ち解けて理解していきます。このシーンはどこの家庭でも多かれ少なかれありそうな思いがし、共感出来ました。 カイザーシュマーレンはそんな、ドイツの家庭の味なのです。

私が住んでいた南ドイツ周辺でもよく食べられていました。家庭でもレストランでも作っていました。私が働いていたレストランのフルコースの最後にこのカイザーシュマーレンが書いてあった時には驚きました。さすが南ドイツ!と思いましたが、ボリュームがあるのでさすがに半分は残ってお皿が帰ってくるので、デザート係としてはちょっとショックだったことを覚えています。

バターたっぷりで高カロリーとわかっていても、やはりたっぷりの溶かしバターにバニランシュガーなどをかけて食べるカイザーシュマーレンは美味しいデスヨ! あなたも作ってみませんか?

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